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新 歪んだ愛の形[中編] [Page 3/8]
3 : 運命の朝
正太はさわやかな朝の日の光で目を覚ました。
ベッドの上に横たわる自分のあられもない姿に、昨夜獣のように乱れた事を思い出し、正太は赤面した。幸い部屋に鍵を掛けておいたおかげで両親には知られずにすんだようだ。
スティック糊の容器はいつの間にか正太の尻から抜けて、ベッドの下に落ちていた。正太は体中についたザーメンを拭き取ると、いつも通りに服を着て何食わぬ顔で階下の両親の所に向かった。
「あら正太、昨日はどうしたのよ。晩御飯も食べないで。それに見たいテレビもあったんでしょ?」
「そうだぞ。パパ達はお前が病気にでもなったんじゃないかってずっと心配してたんだ。熱でもあるのか?」
いつもなら暖かい両親の言葉も、今の正太にはただ煩わしいだけだった。竜太に会いたい。正太はそれだけを考えていた。
「ううん、何でも無いよ。今日は係の仕事があるから早く行くね」
と言うと正太はランドセルを肩に掛け、心配する両親をしり目にさっさと家を飛び出して行った。
学校に行く途中、正太は軽いめまいを感じていた。昨晩から何も食べていないのに加えて一晩中裸で寝ていたのが悪かったのだろう。まだ誰も居ない教室に入った正太は、すぐに自分の机に突っ伏した。意識がだんだん遠のいてゆく。
《僕このまま…死んじゃうのかなぁ…》
彼の脳裏に竜太の顔が浮かんだ。目の前の景色が涙で滲む。
《竜…太…》
正太はそのまま気を失ってしまった。
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